一般的なお子様の病気・病状について

当院では、発熱、頭痛、咳(せき)、鼻水・鼻づまり、のどの痛み、下痢・嘔吐、腹痛、結膜炎中耳炎、ひきつけ(けいれん)などの症状や、以下の多岐にわたる小児科一般の病気を診断・治療しています。

その他の感染症・季節性の感染症

百日咳

最初はかぜと変わりませんが、長引く咳、夜間に顔を真っ赤にして激しく咳き込むのが特徴です(熱がないのも特徴です)。4種混合ワクチンを受けていない子がかかることが多く、赤ちゃん無呼吸になってしまう場合があり、危険な病気です。普通の風邪薬や抗生剤では効かず、百日咳に対する治療があります。

クループ・急性喉頭炎

かぜを引いたときにのどの奥が腫れて、オットセイが吠えているような咳(犬吠様)が出ます。薬を吸入して、のどの腫れを抑え、飲み薬でのどの炎症を抑えます。夜にひどくなることがあります。息苦しくなったり、急に声のかすれが酷くなる場合には入院する必要があります。

A型なしB型インフルエンザ

毎年晩秋~春先に流行するインフルエンザウイルスによる感染症で、感染力が強く、合併症、重症化することから、普通のかぜとは分けて考えるべきです。発熱、頭痛、関節痛、全身倦怠感、呼吸器症状(咳、鼻水、のどの痛みなど)といった症状が認められ、全身症状が強く重病感があります。肺炎や脳症・脳炎などを合併することもあり、高齢者や乳児では死亡することもあります。治療には、抗インフルエンザウイルス薬があります。
早期診断・治療が重要ですが、38度の発熱から5~8時間、人によっては、1日しないと検査が陽性にならない方がいます。心配なら、受診前に電話で受診のタイミングについてご相談下さい。
インフルエンザの予防として、最も効果的な方法はインフルエンザワクチンの接種です。感染を完全に予防できなくても、発熱期間が短縮したり、病気を軽くするのに有効です。

アデノウイルス感染症・咽頭結膜熱(プール熱)

毎年夏(7〜9月)アデノウイルスによる感染症です。3~5日間発熱、のどの腫れや痛み、目やに、目の赤みなど結膜炎の症状がみられます。吐き気、腹痛、下痢などを伴うこともあります。せきやくしゃみ、便を介して感染します。

ヘルパンギーナ

毎年7〜9月にでる夏風邪の代表です。コクサッキーウイルスやエンテロウイルスでおこります。手、足、口に米粒ほどの水疱性の発疹ができます。口の中にできると、痛みで食事が出来なくなることもあります。発熱や下痢、嘔吐をともなうこともあります。鼻水・唾液や便から感染しますので、手をよく洗うことが大切です。激しい頭痛・嘔吐が続く場合は、入院する場合があります。複数のウイルスが原因なので、何度もかかります。

突発性発疹

生後6か月~1歳2~3か月までに、生後初めて38~40℃の高熱が3~4日続き、熱が下がると、全身に発疹が出現するウイルス感染です。発疹が出て、不機嫌になったり、便もゆるくなったりすることもあります。2回かかることもあります。合併症に注意しながら様子をみて、対処療法のみになります。

中耳炎

鼻、のどからの細菌が耳に入り炎症がおこる病気です。鼻、のどと耳はつながっています。子供の場合、軽度の急性副鼻腔炎から中耳へ細菌が広がって発症します。特に5歳以下に多いです。なかなか熱が下がらない、耳を痛がる、しきりに耳に手をやるなどが症状ですが。治療は抗生剤他を処方します。再発したり、長引くことがありますので、再診してこまめに経過を診させて下さい。
副鼻腔炎(風邪の直後の急性と長引いて1か月以上になる慢性=いわゆる【蓄膿症】があります)
膿性鼻汁(黄色、緑色の濃い鼻汁)、口呼吸、長引く咳、黄色い目ヤニ、熱などが症状です。かぜが原因ですが、アレルギー性鼻炎が合併していることもあります。治療は抗生剤他を処方します。再発したり、長引くことがありますので、再診してこまめに経過を診させて下さい。

ヘルペス性歯肉口内炎

高熱が続き、口に中に口内炎ができます。よだれが多くなり、歯ぐきが赤く腫れ、歯が短くなったように見えます。口内炎でとても痛がり、食欲が落ちます。熱や口の中の痛みをおさえる薬や抗ウイルス剤を処方します。

帯状疱疹

みずぼうそうに一度かかったことのある子が、しばらくして、体力が落ちた時などに、水ぼうそうが再発したのが帯状疱疹です。水ぶくれが、背中から胸にかけて出てきます。顔にも出てくることがあります。大人に比べ、こどもはあまり痛がりません。水ぶくれが目にかかる場合には、眼科にも診てもらう必要があります。治療は、抗ウイルス薬やぬり薬を処方します。

はしか(麻疹)

熱、咳、鼻など、一見風邪症状様に始まり、いったん熱が下がります。その後、高熱と同時に発疹がでます。口腔内に独特の発疹(コプリック斑)があれば、確定です。とくに乳幼児は肺炎、中耳炎など合併症重症化しやすく、死亡してもおかしくない怖い病気です(昔は、命定め、と言われました)。1歳になったら必ず、MR(麻疹・風しん)ワクチン一期の接種をして、予防しましょう。

風しん

3日間続く赤い発疹、首のリンパ節のはれ、熱が主な症状です。俗に『三日はしか』とも言われています。子供の時期にしっかりワクチン接種をして、将来の先天性風疹症候群の出生を予防しましょう。

りんご病(伝染性紅斑)

ほっぺが、りんごのように赤くなり、手足の伸側にレース用の発疹が出ます。かゆみ、微熱や頭痛が出ることがありますが、発疹以外は無症状のことが多く(一部の血液疾患を除く)、発疹が出てからは人に感染しません。日光に当たると、赤みが強くなります。いったん消えても、再び出ることもあります。子供もがかかっていても心配ない病気ですが、成人がかかると関節炎を起こすことがあり、初期の妊婦が罹ると胎児に影響がでることがあります。

感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)

最近では、ほとんどウイルス性で、ノロウイルスとロタウイルスが大部分を占めます。細菌性では、カンピロバクター、病原性大腸菌、サルモネラが三大原因です。
はきけ、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などの症状が出ます。乳幼児では、脱水症に注意する必要があります。特にノロウイルスは感染力が強く、ノロウイルスに汚染された下痢便、吐物、おむつは次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)で消毒する必要があります。感染性胃腸炎には、特効薬や予防接種はなく、脱水にならないようするのが目標です。受診時には便の様子をスマホ・携帯の写真でもいいので見せてください。

じんま疹

突然に盛り上がる皮疹(膨隆疹:スマホ・携帯の写真で確定)で、痒みが強いのが特徴です。食物アレルギー、薬品アレルギーの他に、動物、植物、風邪、温度差(暖から冷、その逆も:温熱・寒冷じんま疹)等、たくさんの原因があります。原因を特定するのはなかなか難しいですが、一緒に調べていきましょう。痒み止めの内服・外用薬を処方します。また、冷やすとかゆみも楽になります。

尿路感染症

腎臓から膀胱・尿道までを、特に尿路と言います。ここに細菌がついた状態をまとめて尿路感染症といいます。子供、特に乳幼児の尿路感染症は症状がはっきりせず、診断が難しい場合もあります。熱の原因が不明の時は、尿検査をさせて下さい。治療には、抗生剤が必須です。

よくある質問

発熱は何度から?

生後2か月~半年前後の赤ちゃんは、外気温の影響を受けるので、38度から。
小学生以上は、大人と同じ37度、その中間の年代は、37.5度を発熱の目安にします。

いつまで薬は必要?

基本的には、全部使い切って下さい。時として、急性(1週間以内)の処方薬には、休止して問題ない事もありますが、必ず受診時に確認してください。

喘息と言われたのですが、いつまで続ければ?

小児科で長期にお薬が必要な病気の代表になりますね。
経験的に、治り易い年齢・時期があります。概ね、3歳、6~7歳前後、11~13歳などに分かれます。経過や重症度にもよりますので、遠慮なく受診時に聞いて下さい。